4期9.立てない歩けない方への対処
2月4日の講座で練習するので、術伝MLにテキストを送った。おおまかには以下の通り
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操体は先ず下半身の歪みを取る事を基本にしていますが、これは立って歩ける方の場合です。立ったり歩いたりが旨くできないほど歪みが大きい障害の場合には、先ず、背骨がS字状のカーブを描いて直立する状態に近づける必要があります。典型例は脳性麻痺です。
なんとか座位が決まるようになったら、座位での重さの操体で、座位で中心軸がふらつかないようにします。それから、足の歪みを整えて立てるようにし、なんとか立てたら、立位での重さの操体をして、立位で中心軸がふらつかないようにします。
何とか歩けるようになったら、腰椎部分ウェストの可動性を増し、動的バランスが取れるようにします。自転車で左右の動的バランス、スキーで前後の動的バランス、クロールやカヌーで左右捻転の動的バランス、縄跳びや乗馬で上下の動的バランスを鍛える事ができます。
我が家の脳性麻痺の次男に付き合ってきた事を振り返りながら、まとめてみました。
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操体4期 9.立てない歩けない方への対処(脳性麻痺、片麻痺)
(C)2007 愉愈庵遊風
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9.0. 脳性麻痺や片麻痺などの障害で有って、立てない歩けない場合には、
先ず胴体の歪みを取り、背骨がS字状のカーブを描き立つ状態を作る
つまり、座位が決まる事を目指す
(操体では下半身が基本だが、それは立って歩ける方の場合)
背骨がS字状のカーブを描き立つ状態から外れている処を強調していく
座位で背骨がS字状直立になったら、手足をきっかけにする事を増やす
9.1. 基本的な手順
.0.言葉の通じる方には「姿勢を変えたくなったら、どんどん変えて構いません」
「ただ、ユックリ動いてください」と声を掛けて置く
.1. ラクな姿勢を探す(*1)
+ 足指を少し痛くして逃げて貰って姿勢を観察(*2)
.2. イイ感じを探す(*3)
.1. 目立つ処を強調する操体をして、イイ感じの処を探す(*4)
.2. 色々付け足してイイ感じが増えないか探す(*5)
.1. 目の付け所
.1. 背骨、特に腰椎の4種8方向(3軸+伸縮)
.2. 体重移動
.3. 8方向手足末端の位置や手首足首の向き、目の向き(首の向き)
.2. 付け足し方
.1. 窮屈そうに見える処を動かしてあげる
.2. 手足の指揉み始め関連の痼りへの軽い按摩指圧、指反らし、揺らし
.3. お腹に息が深くなるか、イイ感じが深くなれば、続ける
.+. タワメの間では、お腹の息や、痼り(周囲)の変化を観察
.3. 姿勢が変えたくなったり、お腹の息が普通に戻ったら終え、次へ
9.2. 定番的によく使う物
9.2.1. 手足の指揉み(*6)
9.2.2. 足や背骨、骨盤の揺らし(*7)
9.2.3. 変形を強調する皮膚や動きの操体
.1. 背骨、特に腰椎の変形を強調する(*8)
.2. 足や腕の変形を強調する(*9)
9.2.4. 変形を強調する重さの操体(*10)
9.2.5. 擽り(*11)
9.2.6. 腰椎部分の可動性を増す運動(*12)
.1. 左右:自転車
.2. 前後:スキー
.3. 捻転:クロール、カヌー
.4. 上下:縄跳び、乗馬