遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

鍼灸2期慢性10.肘の慢性期

2月4日に講座で練習するので、「肘の慢性期」のテキストを術伝MLに送った。おおまかには以下の通り。
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「鍼は引き鍼」改訂版原稿
[4]運動器系の応急処置
[4-10] 肘の慢性期 
(C)2007 愉愈庵遊風
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(0)始めに
 応急処置では取り上げませんでしたが、肘の応急処置は基本的には膝と同じです。ここでは、肘の慢性期を取り上げますが、ここと膝の応急処置を読めば肘の応急処置は出来ますので挑戦してみてください。
 肘の慢性期も、先ずは、鍼のみで慢性期の型を中心に治療し、鍼のみでは変化が遅いほど古いツボが見つかったら灸や灸頭鍼を併用して治療します。
 肘の痛みや辛さも、膝と似ていて、肘頭の周りに感じる事が多いですが、そこだけ刺しても良くならない事や直ぐぶり返す事が多いです。肘の治療の基本も、肘の手の平側にツボが出ていたら、そのツボを先ず緩める事から始めたほうが、再発が少ないです。
(1)鍼のみでの膝の慢性期治療
 肘痛の慢性期の刺鍼手順の全体の流れは、基本的に慢性期の型を行っていき、肘に関連するツボが出やすい所になったら、詳しく観察し丁寧にツボを取り刺鍼します。座位で肩頚(や前頚部、鎖骨周り)を終えた後に行います。その後、また慢性期の型に戻り、座位で、頭の散鍼をしてから手甲に引き鍼して後始末します。
 応急処置として行う場合には、座位で手甲に引く肘の基本刺鍼から始め、動作鍼や腱付着部痛の鍼をして、最後にもう一度手甲に引き鍼して仕上げます。
1.1. 肘の基本刺鍼
 基本的な刺鍼は、手甲に出ているツボに引き鍼してから、陰経の手首付近の列缺,内関,陰げき付近に出ているツボに引き鍼し、肘手平側の皺付近、尺沢,曲沢,少海の上腕より2cm、前腕より2cm付近に出ているツボに刺鍼します。〜〜〜
1.2. 肘の動作鍼
 出来ない動作や辛い動作を痛みが出る手前までしてもらい、引っかかっている処を探します。〜〜〜ペコっと凹んでいる処を見付け、〜〜〜痛い手前の姿勢のまま、そのツボに刺鍼します。〜〜〜
1.2. 腱付着部痛の鍼
 肘頭の直ぐ近くで直ぐ下が骨で筋肉が殆どついてない処が痛い場合に、痛みの原因がその場所ではなく、そこに付着している腱の筋腹に痼りが有り、腱付着部を引っ張っているため痛みが出ている事があります。〜〜〜