遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

『杉山真伝流臨床指南』

杉山真伝流臨床指南

杉山真伝流臨床指南

 だいたい読み終えた。大浦さんとは、横田観風先生のところで3年ほど一緒でした。『長沙腹診考』を訳すのをお手伝いしたりもしました。当時から漢文を読むのが上手で、江戸時代の文献の翻訳では、みんなをリードしていました。イラストも上手でした。この本も、上手なイラストでわかりやすく、読みやすい翻訳で、さすが大浦さんという感じでした。また、症例の解説も横田先生の解説に似ていて、一緒に横田先生の本を読んだ私には理解しやすいものでした。江戸時代の本を読みやすい形にまとめてくださり、大浦慈観先生に感謝!感謝!です。症例の一つに鍼灸による瞑眩が書かれているものを紹介していて、江戸時代に漢方だけでなく鍼灸の世界にも瞑眩という概念があったことがはっきり確認できた。
 細かなことは、また、書くとして、大雑把にいえば、私が患者さんの体から学び、いま術伝流として私が伝えていることとの共通点が多く、自分が伝えてきたことが和方鍼灸の流れの中にあることを再確認できて良かった。ただし、私が知らない手法も沢山載っていたので、これから仲間や患者さんに試させてもらい、効果が確認できたものは、順番に、初心者の方にも伝わりやすい伝承システムを作って、伝え残していきたいと思う。
 共通点の代表例。真伝流皆伝の「鍼法撮要」に
「邪気は鍼先に至りくるのが速く、鍼下にビリビリ緊張した感じがする」
「穀気は鍼先に至りくるのがゆっくりで、鍼下が温まり柔和になる感じがする」
(穀気を真気とすれば、同じように伝えていた)