遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

『50歳からの病気にならない生き方』

50歳からの病気にならない生き方革命

50歳からの病気にならない生き方革命

 掲示板で話題になったので、久しぶりに安保先生の本を読んでみた。2007年4月の本のせいか、だいぶまとまりが出てきた感じ。
 オーソドックスな東洋医学に近づいている感じだけれど、「いまだに千年以上も前の文献を頼りにしていては、どんな病気でも治せるとは言い切れないでしょう」と、分析的な研究をする必要があると書いている点は、確かに、これから必要だと思った。たくさんの研究がなされることを期待するし、自分でも、実験はできないけれど、臨床例を積み上げて仮説にしていくことは続けていきたいと思う。ただ、虚や冷えに関して、どちらも交感神経過緊張でも副交感神経過緊張でも起きるので区別が必要という点に関しては、その通りだとは思うが、臨床上は圧倒的に交感神経過緊張が多く、一見逆の場合でも気をつけないといけないことが多いので、そのあたりの一言も書いたほうが良いと思った。
 ガンの発生に関しては、「働きすぎが原因→交感神経過緊張の状態が続く→顆粒球が増える→顆粒球が胃腸などの上皮細胞や腺細胞などの再生が頻繁なところに押し掛けて活性酸素を放出する→上皮細胞や腺細胞の増殖関連遺伝子に異常が発生→細胞分裂・再生の調節がつかない増殖を強いられる→限界を超えると、無秩序に増殖するガン細胞に変化していく」と書かれている。また、手術、抗がん剤放射線というガンの3大療法については、「どれも交感神経緊張状態をもたらすから、がん組織が他の臓器を圧迫している場合など、最低限必要な場合のみにとどめるべきだ」とのこと。どちらも、それなりに説得力のある説明だと思うので、3大療法派、安保派、双方の今後の研究の成果を待ちたいと思う。
 生物は重力に抗して進化したことや、季節の影響(冬は交感神経緊張になりやすいので症状が悪化しやすいetc)、民族差・気候風土の差の考慮、関節の可動性を意識すること、縄文時代の生き方を参考にすることなど、私との共通点もたくさん見つかった。