遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

『わたし、解体はじめました』・・・糖質制限・先住民食への疑問

わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

  • 作者:畠山千春
  • 発売日: 2014/03/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

http://chiharuh.jp/?p=3226 著者のブログ

 糖質制限・先住民食とか言っている人達が狩猟経験があるのか疑問に思い、表題の本を読んでみました。

 子供の頃には家で鶏を飼い卵を取り、(卵を産まなくなったら)父母が絞めて肉にして食べてました。海の近くだったので、魚も魚屋さんや大人たちがさばいているのをよく見ました。潮干狩りしましたし、地引き網や鮎の投網漁にも連れて行ってもらいました。友達の親父さんが川に仕掛けた罠で取ってきた鰻をさばくのも見ました。家では、1反ほどの畑で野菜を作っていて、陸稲、麦も作ったことがあります。蜂の子、カミキリムシの子、桑の実、山葡萄、胡桃、自然薯なども食べていました。(追記:イルカも食材でした、神奈川県西部から伊豆では。ツクシ、フキ、ヨモギユキノシタなどは当たり前の食材でした)
 20代〜30代では、素潜りで岩牡蠣採り、岩魚釣り、山菜採り、キノコ狩り、ドングリ,木の実などの採集もしました。山菜ではカタクリの花、茸ではイグチ、ドングリではマテバシイ、木の実ではヤマボウシ、虫では"風呂焚き用の薪を割った時に時々見付かるカミキリムシの幼虫のイモムシ"が美味しかったです。岩魚は、フキの葉で包んで、焚き火の近くの石の上に置き蒸したものが美味しかったです。
 (追記:出身の早稲田大学には「なべの会」という野草を採って食べるサークルもあり、友人が入っていたこともあって、ハコベタンポポスカンポ、ヤブカラシ、イタドリ、ナズナ、アザミなどの野草も食べました)
 また、18の冬に行った小笠原(父島)では、地元の子供達(19以下)と(先輩の)成人式のお祝い用山羊狩り(石投げとタックルで野生化した山羊を捕獲)をして、海岸での屠殺解体も見ています(私も1匹タックルで捕獲し、屠殺する海岸まで担いで下ろしました)。2週間ほど熟成させてから食べるとのことでした。
 (追記:近くの兄島には野生化した牛がいるが、牛は鉄砲がいるし、大人でないと無理とのことでした)
 (追記2:20代後半に行った台湾アミ族の集落では、運動会後の宴会用に狩猟したイノシシの刺し身を食べたこともあります…寄生虫の心配が頭に浮かびましたが)
 30前後には山スキーで訪れた新潟で兎狩りやその屠殺解体も見ています。
 狩猟って、貝や魚や山菜や茸やドングリや木の実を取るのに比べて、簡単じゃないなと思いました。
 そして、中学から大学の頃は、遺伝学、動物行動学、(自然,文化)人類学、実験考古学にも興味を持って、探検部系の人達とも付き合っていましたので、近代化以前の民族の暮らしの技術にも興味を持っていました。縄ない、ワラジ作り、縄文土器作り、竹細工、アケビ細工、木工、陶芸、炭焼き、タタラ製鉄、鍛冶場での小刀作り、ウツギの枝でのキリモミ式火起こしなども経験があります。(現在は、科博の人達(や関野吉晴さんたち)が、古代技術で「台湾から沖縄」に挑んでいますね)
追記:2019年夏、ついに丸木舟で台湾から沖縄を成し遂げましたね。
 また、内澤旬子さんの『世界屠畜紀行』(角川)、『飼い喰い 三匹の豚とわたし』(岩波書店)も読んでいて、肉を食べる以上いつか屠殺解体をしたいなと思っていました。
 石器時代の狩猟って、今以上に簡単じゃないと思います。それで、私には、石器時代の人達って、採集がメインで、狩猟はサブじゃなかったかなと思います。(採集できる物が少ない寒い地域で、マンモスハンターが生まれたのは理解できますが)。例えば、カイボリ漁なんて、重機ができるまでは、石器時代でも昭和でも大差なかったと思うのです。
 要するに、釣や漁(定置網、梁、掻い掘り)、採集(貝、虫、山菜、ドングリ、木の実、茸)に比べて、狩猟は大変で、狩猟の中では、飛ばない鳥(鶏)やカエル、トカゲは、屠殺解体も簡単。獣になると難しく、大型獣はすごく大変ということ。
 「もののけ姫」のアシタカが使っていた黒曜石の石器なら可能と思います。黒曜石のナイフで鉄のナイフと同じ位に簡単にできたとしても、頻度は釣や採集に比べ少なく、主食にするのは難しかったのでは?ないのかなぁ。特に、夏場は。本にも書いてありますが、獣の狩猟は日本でも冬で、解体処理が比較的簡単で、熟成中に腐敗しにくいからでは? 縄文人の食サイクルを見ても少なくとも大型獣の狩猟は冬が中心だったようですし。
 その関係から、『タネをまく縄文人』(小畑弘己著、吉川弘文館)も読んで、農耕の歴史も勉強しなおしています。

 
追記:黒曜石の石器に関しては以下を参照してください。
http://www.h2.dion.ne.jp/~isi/page5/sub6.htm
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005403005_00000&p=box
 (ただし、黒曜石の石器は、ガラスに近く壊れやすいし、産出場所が限られるので、肉食の常食(主食に成る程)が可能な程度に頻繁使用が可能だったかどうかについては、疑問大です)
 
追記2:私と同じように狩猟に疑問を持っている人もいるようですね。マンモスハンターというよりもトナカイハンターではなかったかと書かれていますが、トナカイもけっこう大変だったと思います。が、トナカイなら、つい最近まで遊牧していた人達(サーミ人)がいるので可能と思います。
http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/03/961.html
 
追記3:2016.02.17
 貝殻や竹でナイフを作れれば、獣の屠殺解体はできそうです。ただし、皮膚の柔らかいもののみと思います。猟は、罠猟や追い込み猟かな。 
 でも、糖質制限論者は、古代小麦と現代小麦の違い、小麦の食べ方の違いを言うのに、何故、石器時代の狩猟動物と現代畜産動物の違い、肉の食べ方の違いを言わないのだろうか。少なくとも日本の場合には、後者の方が違いが大きいと思うのですが。沖縄などのように豚の全身を食べるのではない、本土の現代日本人の肉食は害の多い食べ方なんじゃないのかな? そして、ここ50年ほどで非常に増えた高度精製物・化学物質を先ず減らすことを言わないのかな?
 
追記4:2016.2.29
 糖質制限をするのは、「余った糖質がタンパク質を糖化して、AGE(終末糖化産物、後期糖化生成物)ができ、それが、タンパク質の変性や機能低下を促進し、糖尿病、動脈硬化、癌、老化などに繋がるから」って、ことで良いですか? 
 調べてみたらって、AGEって食べ物にも含まれているようですね。そして、現在普通の日本人が口にしているものでは、洋風肉食に多いようで、伝統的和食では少ないようです。そもそも、肉をステーキに焼いただけでAGEがものすごく増えるってことは、肉の中にも「AGEの糖質部分になる成分」が含まれているようにも思います(輸入米国産牛肉が穀物肥育のためですか?)。生の状態でも米や豆腐よりも牛肉の方がAGEが多いようです。
http://www.age-sokutei.jp/food/
 
追記5:そもそも、ライオンは、現代の日本本土の都会の日本人が食べる意味では肉食ではないのでは? ライオンが獲物を倒して食べるのは、腸始め内臓で、いわゆるロースやヒレやバラの部分は残し放置し、それを食べるのは、ハゲタカやハイエナだったと思いましたが。
 私は、新鮮なサンマはワタを食べるための食材(筋肉部分は干物と余り美味しさが変わらない)と思っていますし、ツブ貝やアワビやサザエも刺身鮮度の物を軽く蒸したらキモの方が美味しいですし、馬刺しで一番好きなのはレバーですから、余計そう思うのかもしれませんが。
 ついでに言うと、豚で一番美味いのは、蒸したチラガー(顔)の鼻の部分と思います。(脳は食べたことがありません。ロース、ヒレ、バラ(皮付き)、足、尾、耳、胃腸、レバーなどと比べての話です)
 
追記6…AGEの点からの疑問は、別の日に書きました。
http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20160303/1456968143
 
追記7…
 要するに、野生類人猿や先住民族で糖質をまるで食べなかったのは限られる(ニューギニア高地人などイモ類はじめ糖質主体の先住民の方が多い)ように思います。
 そして、イヌイットエスキモー)は、野菜や穀物を食べなくても、アザラシ・セイウチなどの海獣、魚、カリブー(トナカイ)、うさぎ、鳥などの内蔵(カリブーなどの小腸内の植物由来の半消化物も含めて)を生食していたので、厳密に言えば、ライオンと同じように間接的に糖質も摂取していたのでは?カリブーの食性は「草食性の強い雑食性で夏は草や葉、時にレミングや虫等の小動物を食べ、冬は角や蹄で雪を掻き分けて下に生えた地衣類(いわゆる苔)等を食べる」ですから。(イヌイットは、コケモモの実も食べていたようですね)。
 また、民族全体の主食がカリブーや羊だった民族は居ますが、牛肉(の特にロース,ヒレ,+バラ)を民族全体の主食にしていた先住民族はいるのでしょうか?見当たらないように思いますが。
 逆に、野生類人猿や先住民族が、高度精製物や化学物質は少しも食べていなかったとは言えると思います。
 また、生肉の中にもAGE(終末糖化産物)が野菜穀類よりも多く含まれ、ステーキに焼いただけで爆発的に増えるということは、そもそも、生肉の中にもAGE(終末糖化産物)の糖質部分になる部分が含まれている、つまり、糖質が含まれているということでは?
AGE値(ku/100g):牛肉(生):707、牛肉ステーキ(フライパン):10,058、米(生):9、パスタ(ゆで):242、ニンジン(グリル):226
 そういう点からも、「先住民食」と言う視点から「糖質制限」と言う言葉が出てくるのは変と思います。「先住民食」という視点から出てくるのは「高度精製物や化学物質の制限」のように思いますが、いかがでしょう。
 
追記8…
 結局、糖質制限食にハマってしまう人達って、先住民や先住民に近い生活形態の人達と一緒に暮らした経験も無ければ、一緒に暮らした民族学者などの経験の記録を沢山調べたことも無いように思います。狩猟採集の経験も余り無さそうですし。
 そのため、本や論文に振り回されてしまっている、ただ、それだけのような気がしました。確率論の応用の定量科学としての疫学という立場からは、同じ民族の同じ世代で百万人単位で10年以上の研究でないと、「大数の法則」を踏まえたとは言えない、つまり、研究の成果は仮説に過ぎないということ。その辺りを分かってない可能性も高そうに思います。
 
追記9.
 基本的に、確率論の応用の定量科学としての疫学という立場からは、同じ民族の同じ世代で百万人単位で10年以上の継続研究でないと、「大数の法則」を踏まえたとは言えない、つまり、研究の成果は仮説に過ぎないということです。
 長期的や年齢経過の影響を考慮するなら30年以上の継続研究が必要ですし、世代を超えての影響も考えるなら100年単位の継続研究が必要です。
 疫学的研究の評価は、その辺りを考慮した方が良いと思います。逆に、多くの薬害は、その辺りを考慮しないから生じている可能性が高いと思います。
 また、食養などは、余り不自然な感じのものは避けた方が無難でしょう。日本の場合は、自動車やスーパーチェーンが普及する以前の地方の伝統食が基本と思います。その辺りの特に山村の食事は地球各地の先住民の食事と余り変わりませんから。まぁ白米・白砂糖・精製塩・化学調味料などの高度精製物や化学合成物は除いた方が良いでしょうが。(高度精製物や化学合成物の長期複合摂取の薬学的疫学的安全性は証明されているとは言えないと思いますので)
 陰謀論的には、糖質制限が流行ったのは粗食(本当は素食)が流行ったのに対する食肉業界などからの逆宣伝の可能性も有りますね。米国でローカーボが流行ったのも、牛肉業界などからの宣伝の可能性もありますし。
 牛肉食は、対労働、対面積、対飼料、対真水の生産性が非常に低く、温暖化要素(反芻動物なのでゲップ)や砂漠化要素(広い牧場が必要)は逆に大きいので、温暖化や人口増に因る食糧難の視点からは、真っ先に制限される可能性の高い食習慣と思います。逆に言えば、牛肉食の制限が叫ばれないうちは、温暖化や食糧難の議論は(いわゆる”緑の帝国主義”による)ショーの可能性もあるように思います。
 そして、近代化以前の,いわゆる先住民族で、民族全体の主食が牛肉食である民族は存在しなかったのでは?ご存じですか?そういう民族。牛肉食は、階級社会であるか、植民地があるか、などでないと、成り立たない食習慣のようにも思います。
 「牛・豚及び鶏の比較」
http://kumamoto.lin.gr.jp/shokuniku/kisochisiki/kachiku_seisan/hikaku.html

 「肉生産に必要な穀物
http://www.nikusyoku.com/kiga/fact/02.html

 追記9の追記:2016.6.15
 赤肉食が必要なら、より原住民食に近いのは、イルカやクジラなのでは? 私は神奈川県の小田原の出身ですが、子供の頃にはイルカは当たり前に食材で、煮物汁物のダシ素材でした。
 
追記:2016.5.18
 「人類の食性が肉食」説の先生方は、旧石器時代の道具で、日本で言えば、イノシシ、クマ以上の大型獣を狩猟屠殺解体してみて欲しいなと思うのです。私は、それが日常的に(毎日主食にするほど)は難しいと思うから、農耕開始以前の人類は肉食中心だったという説には疑問を感じるのです。
 
追記:2016.5.23
 例えば、『日本人はどこから来たのか?』(海部陽介著、文藝春秋)などを読んだり、旧石器について調べてみれば、ナイフや槍の穂先に使える形の剥片石器は、30万年前の旧石器時代中期からです。大型動物の狩猟屠殺解体は、それ以降のように思います。
 それ以前は、ハンドアックス型(握斧)なので、運良く狩猟は出来ても、屠殺解体は難しいでしょう。ですから、屠殺解体せずに食べられる小型(チンパンジーが稀に狩猟摂取することが有る程度のもの)のものだったように思います。ハンドアックス型も150万年前から(330万年前という例も出てきましたが)だそうですし。
 もちろん、ハンドアックス型の旧石器で、野生動物の狩猟屠殺解体を実験考古学的に実践して見せてもらえれば、考えを変えることはあると思いますが。ただ、チンパンジーの狩のように、たまにしかできない形式では、人類の食性が肉食ということを実証するのは無理と思います。
 そして、そもそも現生人類は、20万年程前のアフリカ起源で、出アフリカは数万年前。「肉食中心の先住民、狩猟民族イヌイット遊牧民族サーミなどが、寒帯亜寒帯の冬に植物由来の食料が少ない地域に多い」こと、「温帯熱帯の先住民(特に植物食材が豊富な地域では)は、肉食中心ではない」ことを考え合わせても、(4万年程前に)寒帯亜寒帯に定住した現世人類の一部が肉食中心になったと考えた方が妥当なのではないでしょうか? ネアンデルタール人など旧人との混血も3%位はあるようですが。
 
追記:2016.2.19
 「江部康二先生…「400万年の歴史をもつ人類は本来肉食(蛋白質と脂肪)で、炭水化物を食べるようになったのは農耕が始まった1万年前からのことに過ぎない。400万年のうち399万年は肉食であった」…「糖質制限食のすすめ」の最大の根拠」ということのようです。
 が、これは、明らかに狩猟屠殺解体をしたことのない人の説ではないのかな。そして、類人猿が菜食中心であることも考慮してない感じがします。
 ハンドアックス(握斧)では、運良く狩猟できても屠殺解体は不可能と思います。ナイフや槍の穂先に使える形の剥片石器は、30万年前の旧石器時代中期からなので、せいぜい30万年前からでは。ネアンデルタール人(35万年前から2万年前)の遺跡では、動物の骨も見つかっているようですから。
 そして、ライオンにしてもイヌイットにしても、先ず食べるのは腸内容物も含めて内蔵(しかも生)だということも大切な点だと思います。バランスを取るため、というよりも本能的に体がそちらを欲しているからと思います。現在の日本でも、そういう食べ方ができれば、肉食中心の食事でも良いのかもしれませんが。
 また、戦争中にニューブリテン島にいた水木しげるさんが描くように、バナナなどが直ぐ取れて美味しい地域では、働く時間は2,3時間とか。そういう人達が労働生産性の低い狩猟をわざわざするかなという疑問もあります(遊びでしても、後は沖縄や台湾アミ族などのように祭りの時に食べる)。
 「ニューブリテン島で暮らす人たちは朝起きると、主食であるバナナを採りにいく。そして昼問は涼しい家のなかでのんびりしている。」
http://illcomm.exblog.jp/22608072/
 日本でも、山菜が豊富な地域では、山菜が採れる時期は狩猟はしないのも同じ理由なんじゃないのかな(夏は瓜類など果菜,梁で落鮎、秋は茸や木の実)。縄文カレンダーでも狩猟が冬なのは、その辺りも関係している感じがします。

「晩夏から初秋にかけて「落ち鮎」を味わう(8月上旬〜10月下旬)」
http://www.minami-kanko.com/promise/autumn/post-2.html

(追記:2016.9.19:江部康二先生…「400万年の歴史をもつ人類は本来肉食(蛋白質と脂肪)で、炭水化物を食べるようになったのは農耕が始まった1万年前からのことに過ぎない。400万年のうち399万年は肉食であった」。
 もし、上記が根拠なら、人類が「白米白砂糖など高度精製物や化学合成物を食べ始めたのは、200年前くらいからでは?」、先ず「高度精製物や化学合成物を減らし、丸事食を増やす」方が良いのでは?)
  
追記:2016.7.11ーーーーー
 「ネアンデルタール人は肉食ではなかった!原始人ダイエットの信ぴょう性はいかに?」
 「最近の研究でわかってきたネアンデルタール人の食事
…5万年前のネアンデルタール人の排泄物を調べたところ、肉だけを食べていたのではなく、植物や木の実やナッツ類を多く食べていたことがわかりました…
…植物に関しては、新鮮な生野菜を食べていたことは、あまりなく動物の内臓(胃や腸)から多く摂っていたのではないかとされています…」
http://sondabara.com/neanderthal-diet/
 やっぱりなという感じです。そして、30代までの採集の経験から、(1)山菜や野草として現在も山村などで食べられている草木、(2)アブラナ科はじめ現在栽培種の先祖の野生種の草木、この2つの、若芽若葉、草木の実(特にベリー類)、根(球根や芋も)は、利用していたと思います。特に、若芽若葉やベリー類は、素手で取って食べられるので、簡単に利用できたと思います。類人猿やニホンザルも食べていますし。
 ーー追記:この記事から類推すると、「人類の食性は肉食」説は、北米セレブにベジタリアンが増えたことに対する食肉業界の巻き返し作なんでしょうね。日本の糖質制限派の医師は、それを輸入しただけで、検証は余りしていないのでは(少なくとも、自分で作った石器で獣の狩猟をした人は、今まで聞いた範囲では居ませんでした)。
 そして、北米産の肉が穀物肥育でグリコローディングされていることや、ホルモンや抗生物質まみれのことは隠していますね(余り言いませんね)。つまり、陰謀論的には、日本の糖質制限ブームは、TPP推進で米国が牛肉豚肉を大量販売するための布石なんじゃないのかな?
 ーー追記2:もっと言ってしまえば、「北米セレブが肉と野菜の糖質制限食をしている」ということ自体が、「セレブでない北米99%や日本人はじめ北米食肉輸出先に北米食肉を大量摂取させるためのガセネタの可能性もありますね。
 ーー追記3:FBにこの記事を紹介したら「ベジタリアンのカナダ人の友達に、私がMEC食を食べてると話したら、パレオダイエットは食肉業界が、はやらせた、ベジタリアンが増えたから、と言ってましたね。…」との返信が来ました(MEC食(メック食)は、肉(Meat)、卵(Egg)、チーズ(Cheese))。北米では、常識なのかもしれません。
 そして、Wikiには以下の説明がありました。
「パレオダイエット(英語:Paleolithic diet)は西洋のダイエット法で、英語では「hunter gatherer diet(狩猟採集社会食事法)」、「caveman diet(穴居人ダイエット)」とも呼ばれる。日本語では旧石器時代食や原始人食と呼ばれる。旧石器時代(Paleolithic Era)の野草と野生動物を中心とした食生活を真似ることをコンセプトとしている…農業の発達によりコメ・小麦・トウモロコシなどといった穀物を中心とした食生活が広まり、また牧畜により乳製品やブタ・ウシ・ヒツジなどの獣肉を摂取するようになり、人類の食生活は大きく変わった。パレオダイエットは旧石器時代の食事に立ち返ることを念頭に置き、農耕や牧畜に頼らず、日常的に簡単に入手できる魚介類、鳥類、小動物、昆虫、卵、野菜、キノコなどの菌類、根菜、ナッツ類などを中心とする。旧石器時代には、自然界から容易に入手できなかった穀物、豆類、乳製品、芋類、食塩、砂糖、加工油は原則的には避ける。」
 日本で近頃流行の「糖質制限食や先住民食」よりも、制限が厳しいですね。そして、縄文人は、野生の大豆、小豆、アサ、エゴマ、ヒエ、ヤマイモ(自然薯)なども食していたそうです(他地域の旧石器人も多分同じでしょう、南方では里芋やタロイモの原種も食べていたでしょうね)。
 ですから、それも加えると、日本の「糖質制限食や先住民食」よりも、米麦がないだけで、高度経済成長期以前の山村の食事に近いように思います(追記:特に、焼畑をしていた山村)。言い換えれば、日本で近頃流行の「糖質制限食や先住民食」は、旧石器時代(Paleolithic Era)食では無いとも言えそうに思います。
 パレオダイエットは、農業だけでなく牧畜も否定している点では、評価したいなという感じです(裁判で突っ込まれる要素が少なく、さすが訴訟社会米国の産物!)。旧石器時代についての考察が古すぎる感じはありますが。
 ・・追記:焼畑は現在でも実践している人がいるようですね。
自然の恵みを受けた食、そして伝統的な生活体験が出来る宿
http://www.asia-documentary.com/yakihata/
 今から40年ほど前には、確か四国などにも残っていて、『焼畑の村』という詳細な調査記録の本が出ていたし、映像の記録も有ったと思います。その当時の友人達が大学の人類学研究室にいて、教えてもらいました。
 
・・・追記2016.11.23:

海のグレートジャーニーと若者たち—4700キロの気づきの旅

海のグレートジャーニーと若者たち—4700キロの気づきの旅

  • 作者:関野 吉晴
  • 発売日: 2013/03/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
 関野吉晴さん「…アマゾンのマチゲンガやヤマノミも何千年と狩猟(採集)と焼畑……バナナ、トウモロコシ、ユカイモなどを混ぜて栽培……3,4年で移動……しばらくすると…元通りの森に再生…」(『海のグレートジャーニーと若者たち』p41〜42)。日本の山村と同じですね。この辺りが先住民食の最も多い共通部分のような気がします。
 そして、関野さんは「狩猟採集の生活には広大な土地が必要……一つのバンド(狩猟採集で生きる集団)…最低でも30人から50人で構成……バンドが一つしか無い…近親相姦……複数のバンドが無いと種は存続できない……狩猟採集の暮らしで300人から500人を養う…どんなに狭くても沖縄本島ほどの面積が必要…」(『海のグレートジャーニーと若者たち』p222) 大型獣中心なら、もっと広い面積が必要なことは、イヌイットなど北極圏の狩猟民族の行動範囲(犬ぞり利用)から推測できますね。
・・・
・・・追記2:米国のパレオダイエットが中型以上の獣食を否定しているのは、牧畜民族の彼らは、旧石器で中型以上の獣の狩猟屠殺解体調理が難しいことが分かっているからでしょうね。
・・・
  
追記:2016.7.26ーーーーー
『ここまでわかった! 縄文人の植物利用 』・・・・・
「縄文カレンダー」:季節に応じて利用可能な野生の食料資源を効率よく、まんべんなく利用
 ワラビ、ノビル、クリ、トチノキクルミ、ドングリ、ウルシ、アサ、ダイズ、アズキ、など
植物をただ集めて自然の恵みを享受するだけでなく、環境を使いやすいように改変し、集落周辺の資源管理をしていた
 木の実の貯蔵穴、アク抜き加工場の水場遺構、殻を廃棄したクルミ塚、トチ塚、保管・運搬する編物かご、敷物
 約13,500年前の球根類−アサツキ、ノビル、ユリ、ニンニク、ヒガンバナなど
 約10,000年前のアサの実
 約 7,000年前のかご−素材の選択に合わせた編物製作技術
 約 5,000年前の木の実−大型選別されていった栽培種のクリ、クルミ
 イチイガシ利用文化圏:西日本・九州地方、クリ-ウルシ利用文化圏:北海道・東日本
約13,000年前のツルマメ(野生種)とその子孫のダイズ(栽培種)
 約11,000年前のヤブツルアズキ(野生種)とその子孫のアズキ(栽培種)
・・・・・
 要するに、採集摂取していたものを集落の周りに移植・播種したことが農耕の起源ということですね(肉食していた人達が1万年前に突然農業を始めたのではないということ)。そして、山村では、今でも、少なくとも高度成長期以前までは食べられていたものが多いということも言えると思います。
 
追記:2016.7.27
『タネをまく縄文人』(小畑弘己著、吉川弘文館 「…我が国で最も古いダイズ属の資料は、宮崎県王子山遺跡から発見された約一万三〇〇〇年前のツルマメの圧痕…(p23)…このツルマメが後に見られる「栽培化徴候群」とコクゾウムシにより、縄文時代のメジャーフードだったことが分かる…縄文ダイズ「クマダイ」はこれまで遺伝子学で想定されていた日本起源のダイズの存在を考古学的に証明したものと評価できる…(p22)…ダイズとアズキの起源は中部地方や西関東地方であることまで判明…縄文文化は「豊かな狩猟採集社会」という思い込みとは異なり、一万六千年前頃からアサ、エゴマ、ヒエ、アブラナ科を栽培し、前期にはアズキ、ダイズ、ゴボウの栽培も開始され、特にダイズをメジャーフード化した「農耕社会」だった…」
 追記の追記:2016.9.23 ここで重要なのは、「16000前からヒエを栽培」の部分。子供の頃に、「ヒエは稲作では一番厄介な雑草で、苗の時には稲と見分けがつかず、稲よりも早く実るから」と聞いたことを覚えています。それで、子供の頃に近所の水田の脇に抜かれていたをよく見ました。粒は米の1/5位で、炊くと温かいうちは結構美味しいですが、冷めると不味く、それでヒエというのかなと思った位です。そういうことで、ヒエを栽培していたなら、米が入ってきたら直ぐに米に移行できたと思います。
 
追記:2016.7.31
 まぁ、人類の歴史で、「農業開始(約1万数千年前)以前は肉食中心だった」ことは、石器など道具面からも、対労働(対飼料、対面積)生産性の面からも、当時のアフリカの植生からも、現在のアフリカ始め各地の原住民族や類人猿の食性からも、証明は難しいように思います。サハラ砂漠も現世人類が出アフリカをする数万年前には「緑の大地」だったようですし。
 ただ、「高度精製物や化学合成物を食べるようになったのは、ここ200年強」ということは言えるのではないでしょうか? そういう点からも、「糖質制限」ではなく、「高度精製物や化学合成物を減らす」という方が良いように思います。
 
追記:2016.8.1
 「パレオダイエットは、農業だけでなく牧畜も否定する」ので潔いなと思いますし、司法的に突っ込まれる要素が「現在日本で流行の糖質制限食(人類の食性は肉食)や先住民食」よりも少ないですね(さすが、訴訟社会米国産!)。仙道や修験道の五穀断ちに似ていて、試したこともあり、本格的にしたいなとも思っています。
 ただ、まぁ、現在では実行が難しく、食肉業者提供の肉素材に頼ることになるので、食肉業界の巻き返し策というのも本当だろうなとも思います。
・・・Wikiより
「パレオダイエット(英語:Paleolithic diet)は西洋のダイエット法で、英語では「hunter gatherer diet(狩猟採集社会食事法)」、「caveman diet(穴居人ダイエット)」とも呼ばれる。日本語では旧石器時代食や原始人食と呼ばれる。旧石器時代(Paleolithic Era)の野草と野生動物を中心とした食生活を真似ることをコンセプトとしている…農業の発達によりコメ・小麦・トウモロコシなどといった穀物を中心とした食生活が広まり、また牧畜により乳製品やブタ・ウシ・ヒツジなどの獣肉を摂取するようになり、人類の食生活は大きく変わった。パレオダイエットは旧石器時代の食事に立ち返ることを念頭に置き、農耕や牧畜に頼らず、日常的に簡単に入手できる魚介類、鳥類、小動物、昆虫、卵、野菜、キノコなどの菌類、根菜、ナッツ類などを中心とする。旧石器時代には、自然界から容易に入手できなかった穀物、豆類、乳製品、芋類、食塩、砂糖、加工油は原則的には避ける。」
・・・
 人は一人一人遺伝子が違うし、食性も異なる可能性もあります。今まで調べた限りでは、「青汁だけ」や「ひき割り大豆だけ」で生きている人もいるし、「食べた物だけでなく、腸内細菌との共生の結果」なんでしょうね。一人一人が自分に合ったものを、その都度えらんでいく権利があるし、選んだ結果に対する覚悟も必要でしょうね。
 私は、旧石器時代食…「現在日本で流行の糖質制限食(人類の食性は肉食)や先住民食」ではなく「パレオダイエット+縄文人採取の豆類穀類芋類」と、「精製物と化学物質の無かった時代(200年前位?)の田舎の食事」を参考に、自分の食を選んでいくと思います。「野生の猪(豚)や山羊(羊、縄文なら鹿)も祭りなどで時々は摂取」を含めて考えると、この2つは大差ないように思いますし。旧石器時代なら、穀類豆類(日本なら米)の割合が少し減る位の差しか無いのでは?
 そして、医療者の端くれとしては、上記2つに司法的安全性を加味したものを、患者さんに勧めていくと思います。質的栄養不足は、精製品や化学物質や部分食が多いことが大きな原因と思いますので。ですから、簡単には、「精製品と化学物質を減らし、丸事食を増やす」が基本になります。
 丸事食には、糀、酵母、乳酸菌、納豆菌なども含めると、味噌・醤油・漬物・酒粕などの発酵食品も入れられそうですし。また、丸事が難しい牛やマグロなどが減るので、結果的に、部位の偏りによる質的栄養不足を防げるように思います。スイーツ的な嗜好品としての牛ベリーレアステーキやマグロ大トロ寿司は否定しませんし、たまには食べましたし、嫌いではないです(牛はテールやタンや骨髄、マグロは目玉の後ろ、などの方がより好きですが)。
追記:この辺りに関連したことは別に書きました。
アニミズムと自然科学」
http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20160803/1470179989

追記;2016.8.9.
 ついでに書いておきますと、子供の頃は素手で虫を捕っていました。トンボは指回しセミは真下から手平へ、蝶は花の蜜を吸うのに夢中になって羽を閉じた瞬間に人差し指と中指で挟んでました。近付くのには、気配を断つというか、景色に同化するというか、そういう感じで静かに近付きます。
 
追記:2016.8.11
 「古代生物の化石から食性を予測するときには、その生物の歯や口の形と、(ほぼ同じ気候帯の)現存する近縁の野生種の食性を利用する」のが、一般的なのでは?
 ヒトの場合も同じで、旧石器時代のヒトの食性を予測するときには、ヒトの化石の歯や口の形と、現存する近縁の野生種である類人猿(特にアフリカはじめ熱帯の)の食性を基本に、調査が詳しくされている近い時代(縄文時代)の食性や、近代化以前の鉄器など金属器を使用していない現存種族の食性なども考慮して予測するのが、一般的な手法のように思います。
そういう所からは、「人類の食性が肉食」という説は大きく外れている感じがしますし、自然の摂理からも乖離が大きい感じがしています。
 
追記:2016.8.11#2
「ヒトの主食は骨髄だった」説について:
 山など歩いていて(追記:私は主に沢登りと山スキーをしていたので山道は余り歩いていません)、大型動物の骨に出会うのは稀です。私は、野生動物には沢山あっています(シカやサルの30匹以上の群に囲まれたこともあります)。
 が、その死骸に出会ったのは鹿の死骸1回1匹だけです。頻度としたら生きている野生動物に会った匹数の1/100以下です。骨化した大型動物の死骸に会ったことは有りません。ですから、骨髄を主食にするほど、アフリカでも出会えないような気がします(ライオンが内蔵を食べ、残した筋肉をハイエナとハゲタカが食べた残りの骨だそうですが)。
 子供の頃に野原で遊んだ経験を振り返っても、見かけた虫や鳥の匹数と見付けた死骸の匹数を比べても1/100以下(1/1000以下かも)と思います。都会の公園などで、カラスやハトや猫やセミを見たり、鳴き声を聞いたりした匹数と、死骸に合う匹数の確率も同じようなものではないでしょうか?公園の場合は掃除をするのでしょうが、自然界にも掃除担当の生物が沢山いると思います。
 もちろん、アフリカで、歩いて1日の食料として十分な骨髄を得られる量の野生動物の骨を採集した記録が発表されれば、検討はしますが。日本でも構いませんが、鹿の食害が多い地域でも難しいと思いますよ。(要するに、「ヒトの主食は骨髄だった」説も対面積対労働の生産性が低すぎて、主食には成らないように思います)
 
追記:2016.8.12
「ヒトの主食は骨髄だった」説について:その2
 私は、骨髄は好きで、鶏の骨付きモモや骨付き手羽を食べる時は、いつも、モモや手羽の骨の軟骨部分を食べた後に、骨を歯で割り、骨髄を吸い取って食べています。
 (ついでに書いておくと、鶏ガラでカレーを作る時は、ガラを軽く茹でた後に冷まし、背骨を全部バラバラにし、肉の部分と骨の部分に分け、肉の部分は皿に取り出し、骨の部分は割れるものは割って骨髄が煮え出やすい状態にしてから鍋に戻してスープを取り(骨の残骸は取り出し)、野菜を入れ、野菜が煮えた後に、ガラに付いていた肉部分を混ぜ、軽く火を通し、火を止め、カレーペーストを混ぜる…という作り方をしています。)
 羊のラムチョップや、豚の骨付き肉も同じようにしたいのですが、硬くて上手くできずに、肉と分離した骨をそのまま湯に入れスープを取ることになります。
 それで、「ヒトの主食は骨髄だった」説の人達が、豚や羊の骨を石で割って骨髄を取り出して食べた経験があるかについては疑問に思っています。石で割るのも結構大変で時間が掛かると思いますので。
 追記:「ヒトの主食は骨髄だった」説の人達には、是非とも「野生動物の白骨化した死骸を見付け、その骨を石で割って食べた」経験を発表してほしいなと思っています。できれば、主食にできるレベル、一人当たりの一日に必要なカロリーの4人分(幼児の分を含めて)の1週間分を7日間で。

追記:2016.8.23
 私は、糖質制限食を唱えている人達の活動は、「化学合成薬から離れて、食生活で病気を改善していこう」とする点では、評価しています。ただ、自然科学的合理性、司法的安全性の2つの面で甘いと思っています。これまでは、主に自然科学的合理性の面から書いてきましたが、司法的安全性の面からも一言付け加えて置きます。
・・・・
 糖質制限(の特に「人類の食性は肉食」説)は、訴えられたら勝てない可能性もあると思います。

 医療は、公認傷害ギルドなので、「傷害致死でも、ギルド内の標準治療に則っていれば、事故当時の医療常識では妥当だったということで免責」されます。
 塩分制限は標準ですが、糖質制限は標準ではないですね。標準治療でない場合は、ギルド的免責はされずに、その治療法の根拠や妥当性が、一般の傷害致死に近い形でチェックされる可能性が高くなります。
 私には、「人類の食性が肉食」説は、石器など道具の歴史と機能性、対労働・対飼料・対面積などの生産性、類人猿や近代化以前の食性の割合などの点から、そのチェックをクリアできるとは思えません。糖質制限の方は、糖質制限食が全粒穀物食よりも糖尿病などに有利という疫学データが有れば、クリア可能かも知れませんが、今の所は大規模なものは無いようですね(人間でする前に動物でした方が良いと思いますが)。
 そういう点で、糖質制限派の先生が「人類の食性は肉食」説を唱えて無ければ、負ける可能性は減ったと思うのですが、方便だと主張しても通りそうにないように思います。
 福島医大産科の問題が事件化した頃に医師弁護士ダブルライセンスの先生が主催するMLで激論があり、そのためMLが閉鎖されました。現在は、当時よりも弁護士さん達が訴訟ネタ探しに熱心なようです。
 標準治療でないことを推進するには、標準治療以上の司法的安全性の確保が必要と思います。その辺りの認識が少し甘いように思いました。まぁ、米国食肉業界が資金や根拠を出して援助してくれる可能性もありますが。

追記:2016.9.30ーーー
 弁護士さん達が増えて、司法関係は昔に比べて難しくなっている感じです。米国の意向で司法試験合格者が増え、合格しただけで稼げ無くなったようで、その辺りが関係していると聞きます。また、警察への世間の目の厳しさも関係しているようです(追記:311原発関係や沖縄基地問題などで、転び公妨や完全可視化問題を知ってる人が増えた)。
 弁護士などは、過払金返還で食い繋ぐことになったが、それもそろそろ終わり。次は未払賃金、その次は過剰サービスとか。
 未払賃金は、サビ残名ばかり店長や無報酬泊込待機も)や研修名義タダ働き(最低賃金以下も)とかですね。医師は研修制度が確立して少なくなった感じですが、医師以外の医療介護施術関係は今でも多いのでは?
 過剰サービスは、いま話題のPCデポとかの「基本的には不必要なサービスの押し付け販売」。これも、医療介護施術関係には関係事項が多そうですね。(「人類の食性は肉食」説に基づく糖質制限は、こちらかな?)
 過払金返還のラジオ宣伝を聞いていると分かるように、手数料は20%位、100万で20万。その位の手数料が入ると、弁護士(司法書士)事務所もペイするようです。ですから、未払賃金でも過剰サービスでも、一人当たり100万、安全性を考えるなら一人当たり50万を超えるようなら、対象になる可能性があるかも。
 まぁ勘ぐると、警察への目が厳しくなっているのを弛める(かわす)ために、「医師にも厳しくしてますよ」を示すダシ(素材)に使われる可能性もあるかも。
 たわごと、ざれごと…に終われば良いのですが。

追記:2016.10.28
[ご飯はこうして「悪魔」になった〜大ブーム「糖質制限」を考える  現代社会の特殊な価値観と構造] 
 磯野 真穂 文化人類学者 国際医療福祉大学大学院講師
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49908
 人類学に詳しい人から見れば、当然の反論ですね。
糖質制限派の人達が、自作の旧石器で、主食に出来るほどの数の獣を、狩猟屠殺解体調理して見せてくれたら、糖質制限の検討を始めても良いかなと、私は思っています。旧石器でも、槍の穂先やナイフに使用可能な剥片石器は30万年前からしか出てきてないようですし。繰り返しになりますが。

追記:2016.11.1 
探検家、関野吉晴さんの活動『カレーライスを一から作る』を映画化したい
 https://motion-gallery.net/projects/ichikara_curry
 このような試みを知っていますか? これを少し変えれば、「縄文時代の道具を自作して、縄文食を作って食べる」とかもできそうですね。
 でも、これに似た感じで、「自作の旧石器で獣を狩猟屠殺解体調理して食べる」は、狩猟免許が有っても難しそうですね。

追記:2016.11.1
 糖質制限の「人類の食性は肉食」説や先住民食の先生達が、自作の石器で獣を狩猟屠殺解体調理した記録をご存じの人は、コメントにて教えてください。内容を検討してみたいので。よろしくおねがいします。

追記:2016.11.16
 ようやく「人類の食性は肉食」説のネタ元が見つかりました。
以下のようですね。しかも、米国でも進化生物学者から明確に反論されているようですね。
 [「炭水化物」は人類の敵なのか、味方なのか 「糖質制限ダイエット」巡り激突する2冊の本]
http://toyokeizai.net/articles/-/62304

追記:2016.11.17
 私としては、米国のネタ元も、米国での反論も分かったので、この問題も一区切りは付きました。
 ポイントは、
 (1)血糖値スパイクに代表される血中濃度の乱高下が精製物や化学合成物に由来すること、未精製炭水化物では起きにくく血中濃度が安定しやすいこと、
 (2)旧石器では、小型獣を越えた獣は骨髄を含め狩猟屠殺解体が主食にする程は難しいこと(米国のパレオダイエットは、その辺り踏まえて、農業由来の穀豆だけでなく牧畜由来の中型以上獣も否定していますね、もっとも現在の研究(特に縄文時代)では20万年〜の現生人類ではどちら(穀類豆類・中型獣)も農業牧畜以前から利用していた可能性が高いことが分かっていますが)、
 (3)日本に流通する牛豚の肉は大半が穀物肥育でグリコローディングされ糖質フリーでは無いしグルテンフリーでも無いし、ホルモン類似物質など他の精製物や化学合成物の残滓も多いし、食べ方の問題で質的栄養不足(や特定栄養素過剰)を招きやすいこと(日本での糖質フリー獣肉で値段が手頃なのはイルカ・クジラ類、薄切りにして冷凍物を流通させれば良い)(追記:できれば、タンパク質・脂質も、小さな魚介類や堅果(ナッツ)豆穀類を未精製のまま丸事食べる方が、質的栄養不足や特定栄養素過剰を招きにくいように思います)
 以上の3つ位かなと思います。
 それ以上に心配しているのは、もう既に進化生物学者や人類学者が指摘しているように、医師の自然科学リテラシーが疑問視され、医療全体への信頼が大きく損なわれる可能性が高いということです。弁護士さん達の次の食い扶持が何かも気になりますし。

追記:2016.11.19
 まぁ、白砂糖の害(や昆布と味の素の違い)は、食養の世界では高度経済成長以前から言われています。また、20代前半で虫歯になったことで20代後半から気を付けるようにしてました。
 血中濃度急上昇急降下は20年以上前の鍼灸学校在学中に薬理学などで習っています(麻黄とエフェドリンの関係・薬の切れ味・麻薬性・相撲取りの太り方・健康的痩せ方などと合わせて)。そして、その頃から「精製物や化学合成物を減らし丸事食を増やす」ことは自分でもしていますし、患者さんにも伝えてきました。
 糖質制限ブームの可笑しさは、糖質以外の精製物や化学合成物を問題にしないこと、日本で流通の牛豚肉・牛乳などが糖質フリーでも無くグルテンフリーでも無く精製物や化学合成物も多いことを言わないことかな〜、食養的視点から見ると。
  
 追記:2016.11.21(この件も別記とダブりますが)
 白砂糖と黒砂糖、白米と玄米、精白粉と全粒粉、NaClと自然海水塩、サラダ油と原料穀物(ナタネなど)、ラード(ヘット)と豚(牛)、ロース肉と豚(牛)、"味の素"と昆布、蛋白加水分解物と原料動物、エフェドリンと麻黄、これらは全部同じ関係だと気が付いてほしいなぁと思います。
 前者は精製物(や化学合成物)、後者は素材丸事。前者は、血中濃度乱高下や質的栄養不足や特定栄養素過剰を招きやすいが、後者は招きにくいという基本を理解してほしいなぁと思います。
 
追記:2016.11.22(この件も別記とダブりますが)
 私も「化学合成薬を少なくし食養を活用」、「人類の食物史(特に旧石器時代から近代改善の各地各民族の食事)を活用」の2点では、人類肉食説・先住民食・糖質制限の人達と同じです。
 でも、その専門家達、特に実験考古学などで再現しようとしている人達の見聞や、自分が可能な範囲でした狩猟採集農業の経験を経験を振り返ると、結論は「精製物や化学合成物を減らし、丸事食を増やす」になります。それが近代化以前と以後、特に、ここ数十年とそれ以前の大きな違いですから。日本に限らず、世界中で。
 それで、検討を重ねれば重ねるほど、人類肉食説・先住民食・糖質制限は、「化学合成薬を少なくし食養を活用」、「人類の食物史(特に旧石器時代から近代化以前の各地各民族の食事)を活用」の2点から見ると、実践しにくい異常な説に見えてしまいます。
 11.21に書いたように、どうしても部分食・精製物・化学合成物が増え、バランスが取りにくいし、AGEも増えるし、と思いますので。

追記2016.12.18
 先住民食の長尾先生がFBでの今日の書き込み:
「長尾 周格
18時間前 ·
ポジショントーク

僕は先住民食を予防歯科実践法として指導している立場上、肉食派と思われているようですが、実はそうではありません。僕にとって肉食が良いか、菜食(草食)が良いかなんて、実はどうでも良いことなのです。

そもそも僕は、人類の謎をすべて解き明かしたなんて思っているわけではありません。先住民族の食生活を真似ることで、先住民族と同じような健康が得られるというのも、あくまで仮説の一つにすぎません。いえ、先住民族の食生活が人類の理想の食生活であるということすら、単なる仮説にすぎないのです。

だから僕は、常に食と人間の健康や病気との関係について、勉強し続け、考え続けています。本当に正しい食生活というものは、どういうものであるかと。

今のところ、僕の食に対する考え方というものは、非常にシンプルです。食べ物に関しては、まず、食べられるかどうか、食べられるのなら美味しいかどうか、栄養が豊富か乏しいか、体に短期的及び長期的悪影響があるかどうか、中毒性や依存性があるかどうか、などです。そこには善悪というものは存在しません。いや、食に善悪を絡めること自体、非常におかしなことなのです。

今では菜食派=肉食否定派のような感じになっていますが、その根拠が「肉を食べることは良くないこと」と語られることに、非常に違和感を覚えます。食べ物は食べられるかどうかが問題なのであって、善悪の判断にはそぐわないものだからです。

食に善悪の判断を交えてくると、僕はそこに宗教のにおいを感じてしまいます。宗教は僕も興味があって深く調べましたが、古今東西いかなる宗教においても、宗教とは人間を奴隷化するために精神的に縛り付けるためのツールであることに、疑いの余地はありません。だから食に善悪を持ち込もうとする人間は、ことごとく胡散臭いのです。そしてまた、理屈理論が通じないのもまた、目的がペテンなのですから、さもありなんです。

食べ物は食べ物であり、それ以上でもそれ以下でもありません。肉は肉、魚は魚、野菜は野菜であり、それぞれいただくからには、命に感謝して美味しくいただきたいものです。食に善悪を語る者は、ポジショントークで語る者で、宗教的な洗脳手段を用いて人を篭絡しようとする危険な輩です。そしてまた、うさん臭い人間ほど自分のうさん臭さを隠そうと、ことさらに正義感ぶった言説を繰り返します。まあ、ロクなもんじゃあないよね。」
 
 長尾先生は、半年〜1年前には、「人類の食性は肉食。穀物食は1万年前に奴隷の食物として始まった」などとFBで書いていたと思いましたが、ずいぶんトーンダウンしましたね(1ヶ月前位から兆候は有りましたが)。
 変わり身が早いというか、糖質制限ブームが終わりの情報を仕入れた感じがしますが、いかがでしょうか。それとも、狩猟を体験し、「旧石器で獣の狩猟を主食にするほどは難しい」ことを、ご自身で気付かれたか、狩猟仲間から言われたか…という可能性もあるかなとも思いました。
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追記:2016.12.17ーーーーーーーーーーーーー
 人類主食骨髄説の根拠の1つとされるハッザ族の記事を読んでみました。が、これでは、「骨髄も食べる」とは言えるけど、「骨髄が主食」というのは無理のように思います。

 毒矢が基本的狩猟用具みたいですが、毒や矢の起源が何時頃かも問題ですね。

「彼らの生活には、自由時間がたっぷり…人類学者の推定では、食料の確保に費やす“労働時間”は1日4〜6時間…ハッザ族はその長い歴史を通じて、環境にほとんど負荷を与えない暮らしを営んできた…
 …伝統的なハッザ族は、ほとんど物を所有しない。家財道具は、鍋、水を入れる容器、斧(おの)など、毛布で包んで肩に背負えるほどしかない。
 女性たちは、ベリー類やバオバブの木の実を集め、地面を掘ってイモ類を採る。はちみつ集めと狩りは男たちの仕事だ。夜にヒヒ狩りをするときは集団だが、こうした大掛かりな狩猟は年に数回しか行わず、普段は単独で狩りをする。鳥、ヌー、シマウマ、スイギュウ、イノシシと、仕留められるものは何でも食べる(ただし、ヘビは嫌いで、決して手を出さない)。
 好物はヒヒだ。ハッザの男たちは、ヒヒを5頭仕留めなければ女性と一緒になれないのだと、オンワスは冗談で言った。
 男たちが狩りで使う矢には、毒が付けられている。この毒は、“砂漠のバラ”と呼ばれる灌木、アデニウムの樹液を煮詰めたもので、キリンを倒せるほど強力なものだ。」

「ハッザ族 太古の暮らしを守る」
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0912/feature05/

追記:毒が樹液を煮詰めたものなら、そのための鍋のような道具を何時から作れたかで、毒矢の使用開始年代が推測できそうですね。
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追記:2017.02.04 ーーーーーーーーーーー

これから始める人のための狩猟の教科書

これから始める人のための狩猟の教科書

 獣肉の屠殺、体温と血液と細菌増殖、不快臭について書いて有りました。やはり、細菌増殖や不快臭や熟成中腐敗を防ぐには冷やすのが一番なようです。
 ということで、やはり、中型以上の獣の狩猟が冬場が中心なのは腐敗を防ぐためでしたね。パレオダイエット(旧石器時代食)が小型獣までにしているのも、その辺りを考慮したからでしょう。
 小型獣や中型獣を罠で捕まえ、解体現場まで生かして移動できれば、腐敗を少なくできそうですね。小笠原の子供達の山羊狩り(1月だけど気温25℃以上)では解体現場の海まで生かして運んでいたし、台湾のアミ族の猪狩り(8月)でも川まで生かして運んでいたと思います。
p231〜232:「…捕獲後速やかに冷却→不快臭の大半を抑える…動物筋肉内は無菌…銃ナイフで外傷→雑菌侵入…死亡直後シカ40℃:細菌繁殖抑える…35℃以下:細菌は血液を媒介に増殖,数時間で全身に→精肉化された後も細菌増殖→不快臭:スカトール,硫化水素,アンモニア…畜産物とは違い死亡から解体まで数時間→細菌繁殖しやすい35℃〜20℃を速やかに→雪詰め,川や湖に沈める…血液中の細菌は35℃〜20℃で猛烈に増殖し腐敗…血抜きは細菌の拡散を遅らせる→臭み防止の補助…血抜きをしても冷却をしなければ意味無…」
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追記:イルカは縄文時代からの日本の食文化 ーーー
横浜市金沢区にある称名寺貝塚…今からおよそ四千年前…発掘調査ではイルカや魚の骨が大量に出土…海にこぎ出してイルカや魚をとり…」
https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/see/kikakuten/2015/kaizukatojidai/

能登でも縄文時代から
http://www.mawakiiseki.jp/dolphin.html
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追記:2017.11.06ーーーーーーーーーーーーーーー
 近くのスーパーで豚のスネ肉の骨付き丸ごとを売っていたので買って蒸して食べ、骨も齧ってみました。が、石で割るにしても労働効率は、やはり、かなり悪そうな硬さでした。詳しくは、以下に書きました。
「豚のスネ肉」
http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20171106/1509953575
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ーーー この項目のURLは以下です ーーー
「『わたし、解体はじめました』・・・糖質制限・先住民食への疑問」
https://kuhuusa-raiden.hatenablog.com/entry/20160211/1455186909
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