遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

『奇跡を起こす驚異の免疫療法』

奇跡を起こす 驚異の免疫療法

奇跡を起こす 驚異の免疫療法

 
 8月8日に書いた『病気が治る人の免疫の法則』よりも後に書かれたせいか、よりまとまっている。実際の治療でおこなっている施術法ものっているし、臨床例も多く、わかりやすかった。


 「血流障害を起こしている箇所は、患者さんは圧痛を感じます。また、指でさぐっていくとブヨブヨしていたり、くぼみやしこりがあったりして、他の部位とは明らかに違う感触があるのです。」ということで、やはり、私のツボ探しと同じだなと思った。
 また、治療は磁気鍼による接触鍼でおこない、注射針による刺絡と同等以上の成果をあげているようだ。
 「自律神経免疫療法をおこなったあとは、・・・汗が出る、体がポカポカと温かい、視界が鮮明になる、目がよく見える、頭がスカッとする、表情が明るくなる、姿勢がよくなる。・・・」ということで、私が治療がうまくいったかどうかは、表情が晴れ晴れとして、足取りが軽くなるなどで判断しているのと同じだなと思った。
 「次のようなリバウンドも起こります。発疹や吹き出物が出る、下痢をする、痛みやかゆみ、吐き気がかえってひどくなる、ヘルペス症状が生じる、体がだるく動きたくない、微熱が出る、胃がもたれる、悪心がする、頭痛が悪化する。」「リバウンドの重要性は古くから指摘されている」として、後藤艮山の言葉を引用しています。
〜〜〜百病は一気の留滞により生ず。病、瞑眩せざれば、その病癒えず〜〜〜
「(病歴が長く症状が重いものでは)瞑眩(リバウンド)を繰り返すことで病気を脱却していく」ので、上記のような症状が出たときには「患者さんにとっては不快な症状ですが、「いま、体が治ろうとしているのだ」と考えて下さい」とのこと。
 「ステロイドが使いはじめは排出されるが、だんだん排出できなくなって体に溜まっていき、それがいろいろな症状を引き起こし、自律神経免疫療法をしていくと、患者さんの皮膚から腐った臭いのする黄色い体液として流れ出してくる」ということで、ここ1年ほどみている皮膚筋炎(膠原病)の患者さんの肘や指から黄色い粘っこい体液が出てきたことを思い出したし、線維筋痛症の初期症状に似たシビレをともなって長く続いている痛みを訴える患者さんの筋肉がとても粘っこく、何か溜まっている感じを受けることも思い出して、同じように化学合成物が溜まっている可能性があるのではないかと思った。
 「交感神経緊張状態のときは呼吸は浅く早くなり、リラックスしているときは自然に深くゆったりになる、できるだけゆっくり吐くことが副交感神経を刺激するコツです」ということで、私が治療中に効果が出ているかどうかを呼吸が深くなるかで判断しているのは妥当性があることだなと思った。
 本の中で安保先生が鍼灸漢方薬の効果を「いやなもの反射」で説明しているが、上記と食い違うように感じた。福田先生も注射針による刺絡で患者さんが痛い思いをしたときよりも、磁気鍼の治療でよくなった臨床例をだしていることからみても、また治療が効果をあげているときは呼吸が深くなることが多いことから考えても、「いやなもの反射」だけで説明するのは無理があるのではなかろうか。
 ただ、後書きで安保先生が「良く生きるための3ヵ条」の一つに「風邪を引いて免疫力を高める」をあげていたのには同感した。
 また、前書きで、福田先生は、現在、仙骨周辺を治療する「骨盤穴法」を研究中とのこと。そのうち、お腹のツボも使うようになるかな。そうすると、ますます私の治療と近くなるのだけれど。福田先生達が、はじめのころ薬指井穴を使わなかったのは、注射針による刺絡では薬指には刺激が強すぎるからだと思うので、同じ理由でお腹のツボをあまり使わなかった可能性があるから。