遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

確率的現象の安全度は、保険がビジネスとして成り立つかで判断可能!?

 「日本の原発は、賠責保険の引受先がないほど危険。100mSvが安全なら、保険会社が入院保険ガン保険をすすめるはず。」など、危険と保険の関係について書きました。
 
 放射線/放射性物質による健康への影響は確率的なんだそうですね。そのあたりが、その影響が健康にどう関係するか分かりにくい原因になっているようです。
 
 ところで、確率的危険がネタの商売をご存知ですか? いわゆる保険、生命保険、ガン保険自動車保険、火災保険などです。ちなみに、このblogの筆者は、早稲田大学理工学部数学科出身で、大学出てすぐは保険業界に就職しました(いまでは、その面影すらありませんが(^_^;)というか(T_T))。もうほとんど忘れていますが、そのころを思い出しながら書いています。
 
 こういう保険会社などが出している保険は、もちろん、ビジネスとして成り立っているわけですから、損しないように計算されています。大雑把には、「保険金額×起きる確率×余裕+経費=保険料」です。
 
 また、万が一にも、ある保険会社に集中したりして支払いができなくなることがないように、国や再保険会社などが再保険というのを引き受けていて、そういう場合でも破綻しないようになっています。そして、一つの再保険に集中しても破綻しないように、世界の再保険の再々保険を引受する組織もあります。英国のロイズなどです。くわしくは、以下などを読んでみてください。
 
Wikipedia「ロイズ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/ロイズ
 
ロイズ保険組合について - 教えて!goo
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/17635.html
 
 また、ロイズは、事例が大きすぎたりで、普通の民間保険会社が引き受けられないような保険を直接引き受けることもしているようです。マンガ『沈黙の艦隊』で「やまと保険」の引受先になった「ライズ」のモデルです。
 
 日本の原発は、始めるときに、このロイズから地震を理由に保険引受を拒否されたようです。
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KW36_wav 孫「どの総理でも保安院でもできない。そもそも無理。保険会社は原発には請け負えないと。でこのようなものを誰がするのか」
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人間と環境への低レベル放射能の脅威 1 http://t.co/TNwBYvR 
「日本の原発第一号は英国(米国?)から輸入されたものだが、英国の保険会社ロイズは、日本は地震大国であること、原子力が確立された技術でないことから、原発の保険を引き受けることを拒否した。」
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hisa_kami 原発はもはや経済合理性がないし(安全対策の費用急騰&保険を誰も引き受けたがらない)、メガソーラーは技術的・採算性の見通しが不透明だし、なので、そろそろ政治・利権抜きの現実解を考えないといかんと思うのだよ。。
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 自動車には、対人対物無制限などという保険がありますね。また、海外旅行保険もあります。自動車事故よりも、飛行機事故よりも、原発が安全なら、原発の保険もビジネスとして成り立つはずです。

 でも、日本の原発の保険は引き受け手がないようです。日本の原発が他国の原発よりも安全なら、他国よりも安い保険料で引き受けてもらえるはずなのに。
  
 放射線放射性物質による被曝も、本当に安全なら、被曝保険がビジネスとして成立するはずです。100mSv以下の被曝なら契約可能な保険、たとえば、疾病特約つきの生命保険、ガン保険などをいま売りだせば、多くの人が契約しそうです。

 また、少量被爆が逆に健康に良いなら、少量被爆した人は、被曝してない人よりも、保険料が安くなるはずです。ガン保険で、ガンになりにくい若い人が保険料が安いのと同じように。福島が被曝で健康ランドになるなら、福島県ガン保険や生命保険の保険料は安くなるはずです。
 
 でも、そういう保険が売りだされるという話は聞きませんし、少量被曝したら保険料を安くするという話も聞きません。逆に、ガン保険や生命保険の約款(保険契約の約束事)で、「放射線/放射性物質による被害がキッカケのものは、保険金支払の対象にならない」という但し書きをつける動きが広がっているという話も流れてきました。

 また、ツイッターで、この件を話題にしたら「福島のママが子供のガン保険に入れなかったとの書き込み見ました。病院で被曝量を測よう言われたらしいです。国からも安全と言われてるのにおかしいですよね」というツイートが帰ってきました。(8.10追記)
  
 「みんなが不安に思っているけれど、実際に起きる確率が低い」ことが、保険会社としては、おいしいビジネスモデルです。逆に、「みんなが安全だと思っていても、実際には起きる確率が高い」ことは、保険会社はぜったいに保険として売り出しません。
   
 ということは、「100mSvの被曝は、保険がビジネスとしては成り立たない程度には危険」と考えておいたほうが無難なような気がしています。
 
 また、保険乗り換えをすすめられた際には、約款をよく読み、そのあたりを確認しましょう。今回の事故が原因の保険金支払をへらすために、保険乗り換えを進めている可能性があります。とくに福島など高汚染地域の方は注意が必要だと思います。
 
 また、再稼働を決めるストレステストの条件に、賠責保険の引受先があるかどうかも加えるべきではないでしょうか? 福島の経営困難になった病院への一時金が250万とか、自主避難には避難資金が支払われないなどということは、賠責保険が十分でないことも関係してると思いますので。
 
 でも、いまさら日本の原発の賠責保険の引受先など出てきそうにはありません。ということは、必然的に、日本の原発は、「保険ビジネスの面からは危険である」ということになります。再稼働のストレステストに「賠責保険の引受先の有無」を加えると、来年3月には、日本の全ての原発は停止することになると思います。
 
 経団連のエライさんたち、原発を今後も続けたいのなら、止まっている原発を再稼働させたいのなら、傘下の保険会社に、以下の2つを要請してください。
(1) 原発の賠責保険を引き受ける
(2) 100mSv以下なら加入できる全疾病対象で支払い制限なし(含む死亡)の保険を作る
この2つができないのに、原発を続けたり、再稼働するのは、経済団体のトップとして変だと思います。経済的合理性、一貫性がありません。
((2)は、とくに東電の大株主の保険会社にお願いします。8.10追記)
 
 脱原発議員のみなさん、再稼働のストレステストの項目に「十分で不足のない賠責保険」を加えるよう動いてください! ここを読んでいるみなさんも、議員にはたらきかけてください。よろしくおねがいします。
 
 また、事故が起きたら被害を受ける可能性はあるけど、交付金をもらっていない周辺自治体のみなさん、十分な賠償を受けるためには、十分な賠責保険が必要だと思いませんか?自治体の長や都道府県、国に要望していったほうが良いと思います(8.23追記)。

〜〜〜111029追記〜〜〜
そもそも、ロイズは、無限責任、それで、創業以来約300年にわたり儲けてきたそうです。失敗しても責任を取らない日本の官僚や、有限責任の日本の株式会社よりも、危険判定能力とその確からしさでは、はるかに段違いだと思います。
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〜〜〜111115追記〜〜〜
rawota 内田誠「今週は原発のコストに関わる情報が出てきている。独の機関によると保険料を原発にかけた場合、一般家庭の負担は毎月3200万になってしまう。そういった事がメディアにきちんと出てくる事が、原発に対する建設的な議論につながるのではないか」 #sokotoko
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感想:日本は地震大国だから、危険度から、コストは100倍ではすまないのでは?
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〜〜〜120221追記〜〜〜
 原発再稼働をしたい方々には、原発再稼働の賠償責任保険のアンダーライター(無限責任の引き受け手)になってほしいなぁ。そういう人が沢山いて、賠責保険が成り立つのなら、ロイズのブローカー(保険契約仲介業者)も保険契約が成立するよう仕事すると思います。
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〜〜〜2016.10.2〜〜〜
今更ですが、拾い物。

【ほっしゃんが、最近ガン保険のCMがなくなった理由を暴露】生命保険会社に勤める知人が暴露
http://matome.naver.jp/odai/2131429404885590701
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