遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』

日本の「自殺希少地域」に1週間前後宿泊した記録。
p033「この地域のひとは、独特…言うことを聞かない、わが道を行く…右へ倣えを嫌う…赤い羽根募金の寄付率は低い…」
p042「病、市(いち)に出せ…内にためず…どんどん自分の住む空間に出しなさいという教訓…困っていることが解決するまでかかわる」
p063〜064「人生は何かあるもんだ…集まって…知識を共有…蓄積…朋輩組…問題が起こらないように監視するのではなく、問題は起こるもんだと思って起こった問題を一緒に考えて解決する組織」
p083「風間浦村憲章
1,わたくしたちは、きまりを守り、親切で明るい村をつくります
2,わたくしたちは、仕事に喜びをもち、豊かな村をつくります
3,わたくしたちは、青少年に希望を、老人に生きがいを、そして心のあたたかい村をつくります
4,わたくしたちは、自然を愛し、花と緑の美しい村をつくります
5,わたくしたちは、常に知識を求め、スポーツに親しみ、楽しい村をつくります
p088「自殺で亡くなるひとの少ない地域は、外に出ていく力のないひとも死なない地域である。」
p094「世界には困難がたくさん…人生は簡単でない…たくさんある困難すべてに全面対決はできない…乗り越えられない壁の前で立ち尽くす前にどう工夫するかを先に考える習慣があるかどうか」
p111「幸福度が高い地域は、男女が平等」
p119〜120「"できないことをたらいまわしになる+重くなるほど孤立する"→"できることは助ける、できないことは相談する"仕組みを地域に作れれば、自殺の問題はずいぶん減るかも。」
p159〜p160
「オープンダイアローグ:フィンランドで生まれた回復援助方法、"人と人との関係の中で病は発症する"仮説の基づいて回復援助のプログラム…その人が生きているソーシャル・ネットワーク全体を見て…生きづらくなった理由、精神疾患を発症した理由を見ていく…そこを修復するため専門家が動く……それが、神津島では当たり前のように行われていた」
p161〜p162「その島のひとたちは、ひとの話を聞かない…自殺が少ない地域は"自分をしっかりもっていて、それを周りもしっかりと受け止めている地域である"」
p178「自殺希少地域のひとたちは対話する……オープンダイアローグ:八割近くの人が抗精神病薬なしにそのこころが回復し、ひととつながり続ける、その核が対話…"ひとが呼吸するように、ひとは対話をする"…ひとがとりまく環境とうまく対話できなくなったときに、ひとは病む…」
p182〜183
「オープンダイアローグの7つの原則
1.即時に助ける
2.ソーシャルネットワークの見方
3.柔軟かつ機動的に
4.責任の所在の明確化
5.心理的なつながりの連続性
6.不確かさに耐える/寛容
7.対話主義

自殺希少地域で気付いたこと
1.「困っている人がいあたら、今、即、助けなさい」(od1)
2.人と人との関係は、疎で多(od2)
3.意思決定は現場で行う(od3)
4.「この地域の人達は見て見ぬふりができない人達なんですよ」(od4)
5.解決するまで関わり続ける(od5)
6.「なるようになる。なるようにしかならない。」(od6)
7.相手は変えられない。変えられるのは自分。(od7)
(od:オープンダイアローグの7つの原則)」
 
 
 著者を知ってからもう20年近くになるかな、活動に注目していました。「流石、すいめいさん」と言う感じの内容でした。相変わらず、実践力はスゴいなと思いました。
 オープンダイアローグは良さそうですね。私が、「心理学や精神医学に興味を持ったが離れ(10代〜20代)、体やそれに関する技術に向かった」理由と近い感じがしました。
 「今、鉄分など栄養学的な精神病へのアプローチがある」けど、それは、向精神薬よりも良いけど、それだけでは不十分な感じがしていました。この本や、オープンダイアローグには、そのれを補うというか、オープンダイアローグを中心に、「ハウジング・ファースト、インカム・セカンド、フレンド・サード」を次に、3番めに栄養学的アプローチというのが良さそうに思いました。