遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

民主党政権と医療改革

 民主党政権ができて、しばらくたち、改革の方向性が少し見えてきた感じです。ようするに、業界団体やそこに天下る官僚にだけ有利な体制は止めて、職業人と生活者に直接有利な体制を作るというのが原則のように思います。農家個別保証、子供手当、給付付き税額控除、高速無料化、ダム中止、みな同じ発想ですね。
 都市近郊の道の駅の売り上げが向上しているそうで、高速無料化になったら、もっと盛んになるだろうなと思いました。いまのサービスエリアやパーキングエリアが、すべて出入り口になり、しかも、道の駅になるでしょうし。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091007-00000556-san-soci
道の駅「どまんなかたぬま」、売上高が10億円に | キタミテレビ
 さて、医療改革がどう進むかなんですが、長妻大臣が中医協の日医枠をなくす方向に動いているようで、かなり大きな変更がありそうですね。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091009/plc0910090130000-n1.htm
 いま出てきているのは、医学部定員の1.5倍などですが、それ以外でも、医療系資格の取得が緩和されるように思います。
 公的病院の経営悪化の要因の一つが医師以外のスタッフの人件費とか、開業医がなんとか成り立つのは医師以外の医療スタッフ無しでもできるからとか聞きます。資格が細分化されていることもあって。もし本当なら、いろいろな資格を一人でもっている人を増やせば、ある程度解決の方向に向かうかもしれません。
 つまり、なんらかの医療系資格を持っていれば、他の資格は、専門科目通信受講→国試受験→実技講習ということも可能な、いまのケアマネのような形式を併設する方向に向かっていくのではないでしょうか? すくなくとも、重複する科目は履修しなくても国試受験可能な方向に向かうように思います。
 考えてみれば、いまの体制は、資格学校とその団体、および、そこに天下る官僚にだけ有利という自民党型利権の代表例のように見えます。
 また、米国並みに上級資格(ナースプラクティショナー)を作り開業看護師に初期医療をまかせる体制も作られる可能性もあります。すでに、大分で特区として養成が始まっていますし。
ナースプラクティショナー>>>http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kouzou2/hyouka/chousa/iryoubukai20/sankou1.pdf
 そういう波が、鍼灸あマ指にも及ぶとすると、同じように、すくなくとも重複科目の履修義務なし、ケアマネ型併設の可能性もあるという方向です。
 看護師さんたちが鍼灸資格を取るのが有利になりそうですね。とくに、石川の加茂先生たちの提唱する筋肉内科が成立したとすると、そのときまでに、鍼灸師の側が十分な技術の持ち主を必要な人数提供できないと、看護師さんの鍼灸資格取得が緩和される可能性が高くなります。鍼灸業界も抵抗するでしょうから、医師の指導の下なら看護師さんは注射と同じように鍼灸もできるという制度にはならないまでも。
 いままで書いた以外だと、看護大学に鍼灸過程が併設される可能性もあります。普通の大学に教職課程が併設されているように。鍼灸の専門科目は、概論、理論、臨床論、経穴、実技だけだったと思うので、併設は難しくないように思います。その場合は、有資格者は、夏休みなどに集中受講する形式になるのでしょう。 
 ナースプラクティショナーが初期医療を担当するようになれば、いまの総合医療の流れのなかで、鍼灸資格があるほうが便利だろうし。
 ですから、鍼灸師の側としては、筋肉内科で即戦力となれるような人材を必要な数だけ用意しておく必要があるし、しっかりした養成システムを作っておく必要があると思います。筋肉内科が成立するまでに。術伝(和方養生技術伝承塾)もその方向で何かお役に立ちたいなと思い、稽古法の工夫を続けていきたいと思っています。