『週刊朝日MOOK漢方養生法』
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
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中医グローバルスタンダード化に対して「現代中医学なんて5年も真剣にやれば、その限界や論理的破綻に気づくのにと思います」という書き込みがある掲示板にのりましたが、学院派理論に関しては少なくとも私もそう思っています。本場中国で学院派理論で臨床されている方はほとんどいないそうですし。こちらは、文革中にその社会的立場から造反や下放にあった可能性が高い家伝各派の方々が、文革直後に作られ毛思想の匂いのする学院派理論を避けている可能性が高いし、市場経済が進むなか国家の中心思想でなくなり風化していっている毛思想とともに風化していきつつあるのかなとも思います。しかし、対外的には学院派理論のグロバルスタンダード化を押し進めているのがおもしろいなと思います。
日本で中医を名乗っていた医師の方々のHPにも学院派特有の言葉遣いは少なくなっているように思いますし、中医を名乗る医師の方が減っているように感じるのもそのあたりに気がついた医師の方が多いということかなと思っています。下記の小高先生のHPなんて象徴的です。
http://www.kotaka-clinic.com/index.php
クリニック名称には、まだ中医がはいっていますが、説明文では東洋医学や漢方であり、HPの表題からは中医が消えています。91年発行の『三千年の知恵 中国医学のひみつ』や93年開設時のパンフには学院派の用語ばかりだったのに比べると、隔世の感があります。「弁証論治」のところが「以上の所見(四診といいます)を総合判断して、内臓の具合や病邪の存在の程度を判断」ですから、これでは普通の東洋医学です。一般向けの著書は、90年代に6冊書かれ、2000年に2冊書かれていますが、21に世紀はいってからは1冊も書かれていないというのも象徴的です。
日本の医師の方たちは、90年代に中医学院派理論を学び終え、もうすでに卒業してしまったということなのかなという感じです。兵藤先生が中医鍼灸書を訳したこともあり、中医一辺倒だった衛生学園も、現在の授業での中医の扱いは、1/3だと聞きますし、鍼灸の教科書作りには医師の方も関わっているので、今後教科書がどう変わっていくか注目して見てきたいと思います。