『ヤノマミ』
ブラジル先住民ヤノマミに150日間に渡って同居したNHKディレクターの本。民族学的にも資料と成りえる内容と言う感じで、興味深く読みました。森の精霊と共に生きる人達と文明との関わりなど、参考に成ることが沢山有りました。彼らの文化や技術が文明の波を超えて生き残っていくことを祈ります。
「…精霊か、人間か、全てを母親が決める…ヤノマミの女は必ず森で出産する…ヤノマミにとって、産まれたばかりの子供は人間ではなく、精霊なのだという…母親は決めなければならない…人間として迎え入れるか、精霊のまま天に返すか…理由は一切問われない…母親以外の者は何も言わず、ただ従う…母親の表情には躊躇いや葛藤は無かった…淡々と子供を見つめ、淡々と決断…出産間隔は、どの家族も3年以上あいていた…避妊の知識は無い…14歳の少女…産まれたばかりの子供を僕たちの目の前で天に送った…自分の手と足を使って、表情を変えずに子供を殺めた…翌日、子供の亡骸は白蟻の巣に収められた…白蟻が全てを食い尽くした後、巣と共に燃やされた…」