遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

声を出すと痛い



 三叉神経痛と歯の炎症と痛みのある方。
 まず、慢性期の型で腹とフクラハギを中心に全身施術。
 そののあと、座位で、顎関節あたりの痛みがひどいということで、それをツボが出ていた手甲3~4間に引きながら、口を開けたり閉じたりしてもらった。そのあと、三叉神経痛のときによくツボが出る側頭部と頭頂部の境目(三叉神経が皮膚表面に立ち上がってくるところ)にも鍼。そしたら、その症状は消えた。
 上歯の痛みが残っているということで、手の八邪を調べたら1~2間が固かったので、合谷に鍼。そしたら、すこし中央よりに痛みが移ったということで、合谷から親指方向に鍼をむけ刺鍼。痛みは消えた。
 痛みは消えたが、声を出すと痛みが出るという。鎖骨から胸骨にかけてが真っ赤になっていたので、そのあたりを散鍼。面積がひろいので、楊枝を輪ゴムで束ねたものを使った。その上のノドのまわりがそこに比べて赤みがまるでないので、変だなと思い、ノドまわりも散鍼してみたら、ノドまわりも真っ赤になっていった。そしたら、声を出しても痛くなくなったという。熱が奥にこもっていて、そのため声を出すときに痛かったのだろう。
 非常に面白い経験をさせてもらった。全体的には、典型的な虚火上逆という感じに見えた。