遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

応用実践講座1回目

 実際に症状のある方に来ていただき、治療を見てもらう形式の応用実践講座の1回目。症例集DVDのために写真だけでなく動画も撮影させてもらった。


 一人目は、帯状疱疹と膝の痛みの方。
 慢性期の養生の型で腹診を中心に診察したあと、手順通りに刺鍼。帯状疱疹ではよく言われるように、デルマトームの華佗経などに出ていたツボに刺鍼。
 膝は、やはり膝裏に出ていたツボに刺鍼。


 二人目は、バネ指と膝の痛みの方。
 バネ指は、まず、患部の指の井穴に邪気の出口を作るために施灸。そのあと、その指を動かす筋の筋腹にツボをさがし、出ていたツボに刺鍼を繰り返したら改善した。
 膝は、やはり膝裏に出ていたツボに刺鍼。
 この二人の方はご夫婦で、次の日に娘さんから「2人とも膝が軽くなったと喜んでいました。ただ、母の帯状疱疹はまだ差し込むような痛みが時々走り、父の中指は施術直後までには反らないで少し戻った」とのメールがはいった。長年累積されたものだから、一度で全部というわけにはいかないようだ。


 三人目は、腰痛の方。
 運動器系応急処置の手順通りに、まずは、足の甲に出ていたツボに引き鍼しながら、首を動かしてもらう運動鍼。
 それから、腰や足などに刺鍼。
 この方は鍼灸師で「深刺しの効能が確認出来たのは大きいです。」とのメールが来た。


 四人目は、とつぜんカカトが痛み出し、歩きとき踏みしめると痛いという方。
 足指井穴に灸で邪気の出口を作ったあと、足裏にたくさん出ていたツボに刺鍼し、足甲のツボで後始末。
 次の日に「今日朝起きると、踵部痛は軽減し、体重がかかると踵が痛くて、足を引きずっていたのが無くなりました。」とのメールが来た。


 五人目は、坐骨神経痛で長いこと足がシビれていて、五十肩か黒板の板書がつらいという方。
 鍼灸の時間がいっぱいだったので、操体の時間にまわってもらったこともあり、まずは操体でひと通り施術して左右バランスなどを改善。
 つぎに、鍼。うつ伏せで足甲4~5間に出ていたツボに引き鍼のあと、腰から脚裏を刺鍼。尻中央や脚裏の奥にたくさん邪気がたまっていた。抜き出すときにつらいそうだった。
 そのあと、五十肩。案の定、上腕と胸、上腕と背中のあいだにはる筋肉や、上腕陰経の脇の下よりに邪気がいっぱいたまっていた。
 次の日、紹介者の方から「操体の気持ちよさも、鍼のインパクトの強さも感じられたようで、今朝は晴れやかな顔つきをしていました。」とメール。刺激量が多すぎたかなと心配していたが、次の朝に晴れやかな顔つきなら大丈夫だったかなと一安心。