漢方教育シンポジウム
慶應大学医学部リサーチパーク1Fラウンジでおこなわれた漢方教育のシンポジウムを見学させてもらった。藤田保健衛生大学と画面を通じて対話しながら進んでいくシンポジウムで、その形式も面白いなと思った。
慶應の渡辺賢治先生の話が興味深かった。
- 2008年、医師の83.5%が漢方薬を使用
- 学生はイベントで成長する、『「総合医」が日本の医療を救う』という本を書かせた。
- 漢方は逃げない医療、どんな状態でも何かできることがある、患者目線の医療
- 日本の漢方に米国などから見学に来るのは、ベースに西洋医学があり、その上で漢方をしているから。逆に、そのため現代中医理論は定着しなかった。現在中医の証は多いところだと3千以上、日本は数十。
- データマイニングでは、コンピュータが仮説も出し、検証もする。現在のデータ量は3000件ほど。コンピュータの予測が91%の精度で当たっていたものもある。
- 漢方の限界も知っている先生の本で学ぶほうがいい。たとえば、大塚敬節先生は「肺炎の薬は」と聞かれ「ペニシリン」と答えた。
鍼灸のほうのデータマイニングによる研究は、もう始まったのだろうか? 二重盲検試験による多人数調査が合わないという点では、漢方も鍼灸も同じなので、漢方のほうの成果を聞くと、鍼灸のほうも期待できそうだし、コンピュータがどんな仮説を出すかにも興味がある。