『見逃し症例から学ぶ日常診療のピットフォール』
見逃し症例から学ぶ日常診療のピットフォール (Meet the Master Clinician)
- 作者: 生坂政臣
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2003/11/01
- メディア: 単行本
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- 見逃しの原因
- 病歴から疾患を想起できなかった(55%)
- 疾患そのものを知らなかった(35%)
- 身体診察が不十分(8%)
- 病歴や身体所見の特定に情報にとらわれた(2%)
- 外来診療で見逃しを防ぐための7か条
- 日常診療のピットフォール(落とし穴)(抜粋)
- カゼのあと頭痛が残れば副鼻腔
- あぶないぞ”増発””最悪””突発”は
- BPPV頭を振れば発作出る(BPPV:良性発作性頭位眩暈症)
- 発熱と腹痛だったら喉を見ろ(溶連菌性咽頭炎、小児では咽頭痛は必発でない)
- 長い咳鼻漏・喘息・逆流か(鼻漏:鼻炎か副鼻腔炎、逆流性食道炎)
- 痛いとこ脱がしてみれば皮疹かな(デルマトームに沿っていたら帯状疱疹の可能性が高い)
- 隠し酒MCVが教えてる(MCV:平均赤血球容積)
- 現代の持病の癪はクラミジア(昔は胆石発作)
- 腹痛の鑑別落とすな虫垂炎(腹部に手術痕のない患者場合はとくに、心窩部痛でも可能性)
- 老人の腹痛そけいを見落とすな(大腿ヘルニア嵌頓)
- 腹痛の子供を見たら便に聞け(排便があると言っても便秘の可能性がある)
- 突き上げるお尻の痛みに名前あり(一過性直腸痛)
- 高齢者近位筋の痛みはリューマチか(リウマチ性多発筋痛症(PMR)、鑑別は、線維筋痛症、関節リウマチなど)
- 高熱の幼児を見たら尿検査(2歳未満の発熱の5%は尿路感染症)
- 中年の単核球はメガロかな(伝染性単核球症は長びく発熱の原因の一つ、10代から20代前半のはEBウイルスによるものが多く、サイトメガロウイルスによるものはそれより高年齢)
- パニックは次の発作が怖いのよ(予期不安がないときは、褐色細胞腫の可能性もあり)
- パーキンソンふるえで来るとは限りません(初期症状:片側の腕が重い、体のキレが悪くなった、声に張りがなくなったとかもある)