遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

寄金先生講演会

 目黒鍼灸師会での六然社社長の寄金先生の講演会にいってきた。
 去年講座に出ていて今年東鍼の鍼灸按摩科にはいった方と、鍼灸学校時代の同級生に出会った。たまには、外に出てみるものだな・・・。
 寄金先生は、相変わらず鍼灸界というか、経絡治療、学院派中医北辰会など大手流派、TPなどに対して、辛口コメントというか、非論理的なところ、主張と行為の違いなどを指摘されていました。そのあたりは、私が、そういうものに感じていた疑問と共通点がおおかったので、うなずきながら聞いていました。
 重宝記が江戸時代のムックだったことや、むかし小児鍼は刺絡だった話、できるだけニュートラルな立場をたもつ話などもおもしろかったです。
 「鍼灸は、個人が個人にする治療」みたいな話もされていました。そうじて、いろいろな鍼灸の仕方の違いに目が行っている感じでした。
 私は、個人が個人にする治療ということは基本認識にしても、その共通部分というのはあるような気がしています。そして、和方鍼灸の共通部分もあるような気がしています。そのあたり、私の目は、いろいろな鍼灸の仕方の共通点にいっています。そのあたりが、寄金先生と私の違いなのかなという感じがしました。
 漢方の方もふくめ、データマイニングなど現代的方法も使って、和方鍼灸の共通点を見付け出していけると良いなと思います。漢方の腹診と病態の変化のほうは、漢方の方と共通点にできる可能性が高いですし。
 たとえ、その共通部分がわずかでも、それを見つけ出す価値はあるのではないかなと思います。そして、その共通部分から伝承法まで作れないかなと思っています。
 ただし、データマイニングも、しょせんは、多量データの解析解釈ですから、鍼灸の効果の前後で、体のなかの何がどう変化するかということの観察法、判定法、記録法がはっきりしたほうが、より有効な解釈がみつけやすくなると思います。
 鍼灸治療前後の体の中の変化でも、とくに、ツボの出ている状態の変化の観察法、判定法、記録法の研究がすすむと、和方鍼灸の研究も進むように思います。阿是穴治療が和方鍼灸の特徴というか、共通点の一つだと思いますので。
 そのあたりでは、明治国際医療大学の伊藤先生たちのTPになっている筋肉の異常活動電位の研究が、一つヒントになりそうな気がして、その研究の発展に期待しています。