遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

『夢を操る』

夢を操る―マレー・セノイ族に会いに行く (講談社文庫)

夢を操る―マレー・セノイ族に会いに行く (講談社文庫)

 マレー半島のセノイという少数民族は「夢をコントロール」しているという。そのセノイ族にフィールド・ワークした本。実際には、「夢をコントロールしている」わけではなく、「アニムズムの世界観のなかで、夢に現れる精霊からモノを教えてもらう」ということで、しかも、家族や集落でその夢をわかちあい、シャーマン的な夢の指導者もいる。そういう中で、
1.夢の中では、意識して積極的であるようにしなさい
2.夢の中で出会った相手とは、できるだけ友だちになりなさい
という文化が伝えられていく。
しかも、いろいろな姿をとって現れる精霊との交流(やりとり)と、相手からの反応を尊重するという姿勢があるので、一方的な独りよがりのコントロールではないそうだ。
 なんだか、無理してプラス思考しなさいと訴えている方々と、妖怪に助けられているから自然に陽気な水木しげるさんとの違いを見るような感じがした。私自身、アニミズム的心情の持ち主で、「自然はカミ、自然である体はカミだから、体という自然のカミにまかせればよい」という感じで、養生をしているので、似ている感じがして、好感を持った。