遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

「自分流初代を目指そう」

出版社の方に促されて『鍼は引き鍼・治療は対話』の「体は自然」「治療は対話」「鍼は引き鍼」の各項目の鍼版を書いている。『操体もくもく』のほうで一度書いた内容だが、鍼は違う内容もあり、書き直している。今日は「学んだ色々な流派の共通点を見付け、自分流初代を目指そう」の部分を書き、術伝ML(muchukand)に送ってみんなにチェックしてもらう事にした。そのうち術伝HPにも載せる予定。
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守破離」ということばをご存じですか?これは修業の過程において目指すべき物を一言で言った言葉です。先ずは、師の考え方や技術を守り、それを理解できるようにし、技術的にも似たような事ができる事を目指していく、これが「守」、次は、それらを破って自分なりのものを見付けようとしていく段階、これが「破」、そして、師と自分との違いという対立した考え方からも離れて、本当の処は何なのだろうと考え、それを見付けようとしていく段階、これが「離」だと聞きました。
 つまり、師匠とまるで同じになるというのは、あるレベルになるまでは良いのですが、そのままでは伸びないという事みたいです。どこかで師のやり方が自分と合わないなと感じたら、師匠のやり方通りに行う事が巧く行かない場合も出て来るという事です。鍼灸の世界では少ない事ですが、仮に師匠が引退されて師の患者さんを引き継ぐ場合でも、師匠とまるで同じでは、師匠と同じ評価を得るのは難しく、患者さんが離れていく事も多いようです。料理などの世界でも良く言われる事ですが、2代目は初代を何か一つ越えて始めて初代と同じ様に評価されるようです。
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