遊風の養生日記Ⅱ

術伝流の愉癒庵遊風(颶風颯雷電)が、鍼灸操体食養はじめ養生について書いていきます

『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)

著者香山リカさんと同じく典型的なスピリチュアルにハマらない人である私には、愉しめた本。
発行当時の2006年ころのスピリチュアル・ブームの特色として、
1.正しいことでなく、相手が言って欲しいことを言っている
2.信じるに証拠は必用でなく、信じたほうが楽しく希望が持てればいい
3.「だましてほしい」とまでは言わないが、明るい気持にしてほしい
4.「あくまで私」にこだわるスピリチュアルは、利他をすすめる宗教とは水と油
という点には納得し共感した。また、アニミズムが基本で既存宗教の中では初期の原始仏教に親近感を感じている私がスピリチュアルにハマらない理由もわかった。


 私は十代後半から30すぎまでの十数年間精神医学や心理療法にも興味があり、そういう関係の方々ともつき合いがあった。良いときには良いのだが、落ち込んだときのすさまじさについていけなくなり、離れてしまった。スピリチュアルにはまっている方々を見ても、その傾向を感じる。正しいかどうか点検せず、実態を良く理解して物事を進めたり、万が一の失敗をさける準備をしていないことが多いので、失敗して落ち込んだときの落ち込み方は、スピリチュアルにはまってない方よりも酷いことが多いように思う。ただ、昔よりも深刻にならず、その失敗をまた明るく忘れさせてくれるスピリチュアリストを求めていくのでしょうが。


 また、カリスマ・スピリチュアリスト江原啓之が、靖国を語っても相手にされず、「ところで私のオーラは」と言われてしまうというところを読んで、江原さんの今後がすこし心配になった。